赤ちゃんの頭のかたち
赤ちゃんの頭の形は、生後数か月の間に大きく変化します。
「頭の形が左右で違う」
「後頭部が平らになっている」
「向き癖が強く、このままで大丈夫なのか心配」
このようなご不安を抱えて受診されるご家族は少なくありません。
赤ちゃんの頭の変形の多くは、向き癖などの外力によって生じるものです。
一方で、まれに頭蓋縫合早期癒合症など手術が必要な病気が隠れていることもあり、適切な診断が重要です。
当院では、
- 病的な頭蓋変形(頭蓋縫合早期癒合症など)の診断
- 頭の形の専門的な評価
- ホームケア(理学療法・体位調整)の指導
- 必要に応じたヘルメット治療
まで、一貫して行っています。
当院医師は国立成育医療研究センター あたまの形外来で診療に携わり、赤ちゃんの頭の形について臨床・研究の両面から診療を行ってきました。
また、頭蓋変形に対するヘルメット治療について臨床研究を行い、その成果を国際学術誌に報告しています。研究では、生後6か月未満で治療を開始した方が改善速度が速いことや、治療開始後約6週間で改善が大きいこと、重症例でも改善が期待できることなどが示されており、こうした知見も日々の診療に活かしています。
頭の形が気になる方は、まずお気軽にご相談ください。
赤ちゃんの頭の形が変形する原因
赤ちゃんの頭蓋骨は、生後しばらくの間は柔らかく、急速に成長しています。
そのため、同じ場所に圧力がかかり続けることで頭の形が変化することがあります。
代表的な原因は
- 向き癖
- 仰向けで過ごす時間が長い
- 首の筋肉の左右差(筋性斜頸)
- 子宮内での姿勢
- 双胎
- 早産
などです。
赤ちゃんの頭の形のタイプ
斜頭症(Plagiocephaly)
後頭部に左右差が生じ、耳や額にも左右差がみられることがあります。乳児の頭蓋変形の中で最も頻繁に見られるタイプです。
短頭症(Brachycephaly)
いわゆる「絶壁」と呼ばれる状態で、後頭部全体が平らになり、頭の奥行きが短いのが特徴です。
長頭症(Dolichocephaly)
頭が前後に長く、横幅が狭い形を指します。早産のお子さんなどに見られることがあります。
ホームケアを重視しています
変形性頭蓋変形症の治療は、ヘルメット治療だけではありません。
頭の形の改善には、向き癖の改善や適切な体位調整など、毎日のホームケアがとても重要です。月齢が低いほど頭の成長は速く、早い時期からホームケアを始めることで改善が期待できるお子さんも少なくありません。
当院では、ご家庭で取り組めるホームケア(体位調整・抱っこや授乳の工夫・タミータイム・向き癖への対応など)をまとめた資料をお渡しし、ご家族と一緒に治療を進めていきます。
当院ではホームケアのみで十分改善が期待できる場合には、ヘルメット治療をおすすめしないこともあります。また、ヘルメット治療を行う場合でも、ホームケアは治療効果を高めるために重要です。 一人ひとりのお子さんの状態に合わせて、具体的な方法をご説明いたします。
当院の診療の流れ
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病的な変形がないかの確認
診察では
- 視診
- 触診
- 耳の位置
- 額の左右差
- 顔面左右差
- 頭囲
- 頭長
- 頭幅
などを確認し、必要に応じてレントゲン検査を行い、頭蓋縫合早期癒合症などの病気が隠れていないか評価します。この場合は専門施設での評価や手術が必要になるため、見極めが極めて重要です。
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適切な理学療法・体位調整の説明
変形性斜頭症の治療の基本は、理学療法や体位調整(外力からの解放)です。月齢が低いほど頭の成長は早いため、早期の対応が効果的です。寝る向きの調整や、うつ伏せ遊び(タミータイム)などを指導します。 -
ヘルメット治療の検討
変形の程度、月齢、理学療法での改善状況、長期的な形の変化の見込みなどを踏まえてご家族と相談し、必要に応じてヘルメット治療のご提案をいたします。
月齢ごとの対応目安
| 月齢 | 対応内容の目安 |
|---|---|
| 0〜2ヶ月 | ホームケア(体位調整・向き癖の改善指導)開始 |
| 3〜4ヶ月 | 積極的な理学療法・体位指導 |
| 4〜6ヶ月 | 改善の程度を確認し、ヘルメット治療を検討 |
| 6〜8ヶ月 | ヘルメット治療は適応がある場合のみ検討 |
| 9ヶ月以降 | 経過観察が中心 |
頭の成長は低月齢期ほど急速です。できるだけ早い月齢からの理学療法を推奨します。頭の形が気になったら、早めにご相談ください。
ヘルメット治療の仕組みと適応について
ヘルメット治療は、赤ちゃん専用の医療用ヘルメットを装着し、頭の自然な成長を利用して形を整える治療です。平らな部分に空間をあけたヘルメットを装着し、その部分に外力が加わらず成長しやすい環境を整えます。
お子さんの月齢や変形の程度、ご家族のご希望を踏まえ、ヘルメット治療が有効と考えられる場合にご提案しています。
- 変形の程度が強く、左右差が顕著である
- 理学療法での改善が不十分である
- ご家族が将来的な形を強く心配されている
- 適切な月齢である(4-6ヶ月が理想)
治療開始の目安となる時期
ヘルメット治療を開始する最適な時期は、生後4〜6か月頃です。この時期は頭の成長が最も活発であり、より高い治療効果が期待できます。
当院では数ある医療用ヘルメットの中からGUNZE ReMO babyを採用しています。
- 前後分割構造で脱着しやすい
- 軽量で赤ちゃんへの負担が少ない
- 調整しやすく通院回数が少ない
- 日本人の頭の形に合わせて設計されている
- 全国の医療機関で広く採用されています。
検査およびヘルメット治療の費用
初診・診察は保険診療となりますが、ヘルメット治療に関連する費用は自費診療となります。
| 初診・再診料 | 保険診療(乳幼児医療費助成の対象) |
|---|---|
| 頭部3Dスキャン(計測費用) | 3,300円(税込) |
| 頭蓋形状矯正ヘルメット | 400,000円(税込) |
※3Dスキャンでは、専用のスキャナーで精密に測定し、作成したデータの用紙をお渡しします(数日お時間がかかる場合があります)。ヘルメット費用には、その後の定期的な診察・ヘルメット調整費用が含まれています。
このようなお悩みがある場合はご相談ください
以下のような状況であれば、一度専門外来の受診をおすすめします。
- 頭の左右差が目立つ
- 後頭部が平らになってきたと感じる
- 向き癖が非常に強く、自分では直せない
- 乳児健診で頭のゆがみを指摘された
- ヘルメットが必要か知りたい
- 他院で相談したが迷っている
見た目だけでは正確な重症度の判断は困難です。専門的な計測を通じて、現在の状態を詳しくご説明いたします。
頭の形に関するよくある質問
Q. 頭の形は自然に治りますか?
軽度の場合は理学療法で改善することがあります。しかし、変形が強い場合は自然改善が難しく、ヘルメット治療が有効な選択肢となります。
Q ヘルメットは痛くありませんか?
痛みはありません。
数日かけて装着時間を増やし、慣れていただきます。
Q. 夏場などは蒸れませんか?
通気性に優れた素材を採用していますが、こまめな汗の拭き取りなどのスキンケアが大切です。肌トラブルへの対処法も指導いたします。
Q. ヘルメットは24時間つける必要がありますか?
お風呂以外の長時間装着することで効果を発揮します。段階的に装着時間を増やし、赤ちゃんを慣らしていきます。
Q 保育園でも装着できますか?
多くのお子さんが装着したまま通園されています。
Q保険は使えますか?
ヘルメット治療は自費診療です。診察は保険診療になります。
近隣の医療機関の先生方へ
当院では
- 頭蓋縫合早期癒合症の鑑別
- 頭蓋変形の評価
- 3Dスキャン
- ホームケア指導
- ヘルメット治療
- 治療後フォロー
まで一貫して対応しております。
ご紹介状がなくても受診可能ですが、ご紹介いただいた患者様につきましては、経過を含めてご報告いたします。
ヘルメット治療は「早ければよい」「すべてのお子さんに必要」というものではありません。当院では、お子さん一人ひとりの頭の形や月齢、ご家族のご希望を踏まえ、ホームケアのみで経過をみるか、ヘルメット治療を行うかを一緒に考えていきます。
受診・予約のご案内
当院は、待ち時間の短縮と丁寧な診察のため予約制を導入しています。赤ちゃんの頭の形に関する相談をご希望の方は、WEB予約ページより事前にご予約をお願いいたします。
